『山岳新校、ひらきました——山中でこれからを生きる「知」を養う』の刊行にあわせて、シンポジウムを開催します。同書は、「加速する社会からの撤退」をキーワードに、奈良県・奥大和の地に開校した学びの場「山岳新校」の記録集です。
執筆陣から、3名を高知に迎え、現代の日本社会のなかで同じ課題を感じ、同じような場所≪山中(山間)≫で考え、実践してきた高知のメンバーと様々な角度から意見交換を行い、課題の整理やこれからの実践のヒントを探ります。
「土佐の山間」で未来を考えるシンポジウムです。
日時
2023年7月9日(日)午後1時半〜4時半
場所
高知市立自由民権記念館民権ホール
(入場定員60名 配信参加者100名)
申込方法
会場参加、オンライン参加(zoom) いずれもhttps://onl.bz/GdmNjqAからお申込みください。
締切 7月5日(水)17:00
*オンライン参加の方には、事前にURLを送付します。
◎お問い合せ:特定非営利活動法人 地域文化計画
info@opalh.jp/080-6721-3074(中村)
プログラム
■第1部(90分)
対談1 慣性から知性への「撤退」
堀田新五郎(政治思想史 奈良県立大学)
ヨース・ジョエル(日本思想史 高知県立大学)
対談2「縮充」の実現に向けて
作野広和(人文地理学 島根大学)
中村茂生(特定非営利活動法人 地域文化計画)
対談3 山間に図書館をひらくこと
青木真兵(人文系私設図書館ルチャ・リブロ キュレーター)
古川佳代子(土佐町読書推進コーディネーター)
◾ 第2部(70分)
ディスカッション 第1部登壇者+会場参加者
*総合司会:白岩英樹(比較文学 高知県立大学)
登壇者
堀田新五郎(ほった・しんごろう) 奈良県立大学教授。専門は政治思想史。『撤退論』(分担執筆)他。世のしがらみと組織のプレッシャーとやむにやまれぬ思いから、撤退学を始める。日本の失われた10年は、20年となり30年となった。何の我慢大会? そろそろ東京一極集中の力学、惰性の力学から撤退しませんか? コードを変えましょう。撤退は敗北ではなく、知性の証しです。
ヨース・ジョエル 高知県立大学教授。専門は日本思想史、国際日本学。土佐を中心として自由民権の思想と運動の研究に軸足を置きながら、日本と世界とのかかわりを様々な角度から考察する。「国際日本学レクチャーシリーズ」を主催。
作野広和(さくの・ひろかず) 島根県松江市生まれ。島根大学教育学部 社会科教育専攻。教授専門は農業・農村地理学,過疎・中山間地域論、GIS。島根県、兵庫県を中心に、市町村レベル、小学校区・地区レベル、集落レベルの地域づくりに参画。島根県江津市、出雲市佐田町、邑南町、奥出雲町、飯南町、兵庫県佐用町に研究室の分室「ラボ」を設置し、住民との協働による地域づくりを実践中。
中村茂生(なかむらしげお)高知市生まれ。NPO法人 地域文化計画理事。同法人が高知県東部で展開する事業のうち、中芸の日本遺産協議会関連事業支援、高知県東部自治体の文化財保存活用地域計画策定支援、限界集落生活誌の記録、集落誌調査執筆等の主担当もしくは副担当をつとめる。「地域文化計画」を通して、包摂あって排除なしのゆるゆる組織を実験中。
青木真兵(あおき・しんぺい) 1983年生まれ、埼玉県浦和市に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライス ラヂオ」の配信をライフワークにしている。2016年より奈良県東吉野村在住。現在は障害者の就労支援を行いながら、大学等で講師を務めている。著書に『手づくりのアジール』(晶文社)、妻・青木海青子との共著『彼岸の図書館──ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)などがある。
古川佳代子(ふるかわかよこ) 高知市生まれ 土佐町在住。3年間の地域おこし協力隊を経て、本年4月より土佐町読書推進コーディネーターとして町内の読書環境整備に従事。しがらみなく人の集える“本のある場所”を作れないかと模索中。移動時、数冊の本を携えていないと不安になる軽度の書籍依存症。
白岩英樹(しらいわ・ひでき) 1976年、福島県生まれ。高知県立大学文化学部准教授。専門は<比較文学/芸術/思想>。博士(芸術文化学)。AP通信、東京都市大学、国際医療福祉大学等を経て、2020年より高知市に在住。 著書に『講義 アメリカの思想と文学――分断を乗り越える「声」を聴く』(白水社)、共著に『ユニバーサル文学談義』(作品社)、翻訳書に『シャーウッド・アンダーソン全詩集』(作品社) などがある。